「自分の仕事にもAIを取り入れてみたいけど、何から始めればいいかわからない…」 「調べてみても『AIを組み込んだ予約管理システムを開発しよう』とか『AIを組み込んだ顧客ヒアリングツールを作りましょう』みたいな情報ばかりで、もう少し気軽に始められる方法が見つけにくい…」
ヘアサロンワークのみなさん、そう感じていませんか?巷で話題の生成AIですが、無料でも気軽に使えるサービスが増えた一方で、「システム開発とかじゃなくて、今すぐ使えるAIサービスを自分の仕事にうまく活かすには?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、企業で生成AIの推進を担当する筆者が、美容師・ヘアサロンワーカーの方向けに明日からスマホやPCで試せる、具体的な生成AIの活用アイデアを提案します。
私自身はヘアサロンでの勤務経験がないため、あくまで「こんな使い方ができるかも?」というアイデアとしての紹介になります。普段の業務で見えてきたAIの特性と、ヘアサロンの業務内容を照らし合わせながら、皆さんの毎日が少しでも楽になるヒントをお届けできれば幸いです。
✂️美容師さん・ヘアサロン向け✨AIを仕事に気軽に取り入れるヒントまとめ
🎓新人教育をラクに!
- 🧠 ChatGPTでQ&Aボット作成
→ 新人がよく聞く質問をまとめて、いつでも答えてくれるボットに! - 🔍 Grokで「ズレ」や悩みを発見
→ 新人がつまずきやすいポイントや現場の声をSNSから収集
🎨カラー配合の勉強にも使える!
- 💬 ChatGPTに「髪の状態」と「希望カラー」を入力すると、配合を提案してくれる
- 📝 完全に任せるのではなく、学習のヒントとして活用!
📣フリーランス美容師のための集客強化
- 📊 Grokでお客様の本音調査
→ 「髪を染めたい理由」「価格の悩み」「平日来店の傾向」などをXから分析 - 🎯 ターゲット設定〜投稿改善
→ 投稿時間、内容、ハッシュタグをデータに基づいて最適化!
🪑シェアサロンの空き情報もリアルタイムで!
- 📍空き区画や募集アカウントもGrokで探せるかも!
🛠AIツールの使い分け
- Grok:リアルな声の収集・戦略立て📱
- ChatGPT:提案・教育・ドキュメント作成💡
🚨使う時の注意点
- 🔒 必ず「学習オフ」に設定
→ お客様の情報を守るため - 🧪 AIの提案はあくまで参考に
→ 技術的な判断は必ず経験者がチェック - 🐾 小さく始めてみよう
→ 「新人教育だけ」など一部から試すのがコツ - 🗂 提案と結果は記録しておくと便利
✅まとめ
AIは技術の代わりにはならないけど、
「時短」「情報収集」「学びサポート」には超便利な相棒!
まずは気になるところから、気軽に試してみてね💬💇♀️💻
今回紹介する生成AIって?
「ChatGPT(チャットジーピーティー)」と「Grok(グロック)」、どちらも最近よく聞く生成AIサービスですが、実はそれぞれ得意なことが違います。
💬 ChatGPT(OpenAI)
OpenAIという会社が開発した対話型AIで、幅広い質問に答えてくれるのが特徴です。ドット絵風の画像生成などでよくSNSでみかけるあのAIです。
たとえば、資料のたたき台を作ってもらったり、アイデア出しの壁打ち相手になってもらったり、情報整理を手伝ってもらったりと、日々の仕事をちょっとラクにしてくれる便利な存在です。
▶️ ChatGPT公式ページ
iPhone app:https://apps.apple.com/jp/app/chatgpt/id6448311069
Android app:https://play.google.com/store/search?q=ChatGPT&c=apps
📱 Grok(xAI)
Grokは、X(旧Twitter)の創業者イーロン・マスク氏が立ち上げたxAI社が開発した生成AIです。「Ani」ちゃんでよく聞くようになった方もいるのでは?
最大の特徴は、X上のリアルタイムな投稿を検索・参照できること。SNS上の「今の声」や「空気感」をもとに情報を集めたり、分析したりするのが得意で、マーケティングやトレンド把握にも活用できます。
▶️ Grok公式ページ
iPhone app:https://apps.apple.com/jp/app/grok-%E7%94%9F%E6%88%90ai/id6670324846
Android app:https://play.google.com/store/apps/details?id=ai.x.grok
サロン運営者・先輩スタイリストさん向け:新人教育が劇的に楽になるかも
「新人に何回も同じこと説明するの、正直しんどい…」
サロンを運営していたり、後輩指導を任されたりしている方なら、きっと共感してもらえると思うんですが、新人教育って本当に大変ですよね。
カットやカラー、パーマの技術は絶対に人間の経験が必要。でも、その周辺業務や基礎知識の部分で「これ、もっと効率的にできないかな?」って思うことありませんか?
人手不足で時間もないし、でも新人さんには早く一人前になってほしい。そんな時にAIが役立つかもしれません。
新人教育の「すれ違い」をGrokで発見する
新人教育の難しさって、教える側と教わる側の間にある「認識のズレ」から生まれることも多いかと思います。特に世代間やバックグラウンドの違いがあると、「当たり前だと思っていたこと」が実は伝わっていなかったり、逆に新人さんが躓いているポイントに気づけなかったりします。
そんな見えないズレを発見するために、X(旧Twitter)上のリアルタイムな声を集められるAI「Grok(グロック)」が役立ちます。
Grokは、イーロン・マスクが設立したxAIが開発した対話型AIで、ChatGPTのような生成AIサービスです。最大の特徴は、X(旧Twitter)の投稿をリアルタイムで検索・参照できることなんです。
新人教育で使えそうなのは、こんな情報を集めること。普通の会話みたいに自然言語で質問できます:
プロンプト例:
- 「美容師の新人がよくする失敗について、X上の投稿を調べて教えて」
- 「美容師の新人に対する愚痴や悩みについてXで検索して、現場でよくある問題をまとめて」
- 「お客様が美容室で嫌だったことについてのツイートを調べて、接客で気をつけるべきポイントを教えて」
- 「美容師の接客で『これは良かった』という口コミをX上から探して、参考になる対応方法を教えて」
これらの情報収集ができるのは結構価値があると思いませんか?先輩の経験談や店舗内での「あるある話」だけじゃなくて、全国の美容師さんや美容室利用者のリアルな声を参考にできる。世代やバックグラウンドが違う人たちの視点も含めて、もっと幅広い角度から新人さんをサポートできそうです。
ChatGPTで「サロン専用の質問ボット」を作る
集めた情報を元に、ChatGPTのカスタムGPT機能を使って、自分のサロン専用のQ&Aボットを作ってみてはどうでしょう?
カスタムGPTは、ChatGPTに特定の情報を元に回答したり、指示どおりに回答したりとアレンジできる、専用チャットbot化できる機能です。
作り方は意外と簡単:
- Grokで集めた「よくある失敗談」をまとめる
- 自分のサロンのルールや方針を文章にする
- 「こんな時はどうする?」のQ&Aドキュメントをつくる
- カスタムGPTの「ナレッジ」(知識)にアップロードし、回答できるようにする
これで完成!新人さんが「こんな時どうすればいいんですか?」って夜中に不安になっても、LINEみたいに気軽に質問できるサロン専用ボットの出来上がりです。
良いところ:
- 新人さん:先輩に聞きにくいことも気軽に質問できる
- 先輩:同じ説明を何度もしなくて済む
- 24時間いつでも使える
カラー配合の勉強きっかけにもChatGPTが使えるかも
ChatGPT、実はカラー剤の配合もある程度提案してくれるんです。もちろん完璧じゃないので、必ず経験者のチェックは必要です。
使い方:
お客様の髪の状態:
- 現在の髪色:7レベルのブラウン
- 前回の施術:3ヶ月前にブリーチなしカラー
- 髪質:硬めで太い
- 希望:9レベルのアッシュベージュ
この条件で適切なカラー剤の配合を提案してください。
このように具体的に入力すると、ChatGPTが配合案を提示してくれます。もちろん完璧じゃないので、必ずチェックは必要です。
これを繰り返すと、新人さんも「こういうカラーをしたいときはこの配合の傾向があるな」「こういうときは必ずオリーブ追加調整が必要だな」って分かってきます。
完全に任せるんじゃなくて、「勉強のきっかけ」として使うのがポイントです。
新人さんにこの使い方をしてもらうことで、先輩からの「この色を○%とこれを混ぜて作って」といった指示を待つだけじゃなくて、「こんな配合はどうですか?」って自分から提案できるようになり、先輩からのフィードバックをもとに成長が早くなるかもしれません。
フリーランス美容師さん向け:集客戦略をデータで考えてみる
「Instagramで見つけてもらうの、難しくなってない?」
フリーランスで独立している美容師さんは、集客が重要ポイント、かつ、お悩みポイントなのではないでしょうか。
例えば5年ほど前だったら、Instagramでハッシュタグ検索すれば色んな美容師さんが出てきて、お客様も自分に合う人を見つけやすかった。でも最近は同じアカウントばっかり上位に出てきて、新しい美容師さんを見つけるのが難しくなっている印象です。
私もカラーやカットお願いしたい時にInstagramで検索して、「いいな」と思ったら新幹線じゃないと行けない距離の美容師さんばかりが検索結果を埋め尽くしてる…なんてことがよくあります。
Grokで「みんなの本音」を調べてマーケティング戦略を立てる
そこで提案したいのが、Grokを使った集客戦略です。Grokは、イーロン・マスクが設立したxAIが開発した対話型AIで、ChatGPTのような生成AIサービスです。最大の特徴は、X(旧Twitter)の投稿をリアルタイムで検索・参照できることなんです。
XのようなSNSには「本音」が多く投稿されています。
こんな調査ができます:
「髪染めたい」の本当の理由を探る
同じ「髪を染めたい」と言っても、お客様それぞれで本当のニーズは違いますよね。ダメージを抑えて明るくしたい人もいれば、できるだけ費用を抑えたい人、白髪染めじゃなくデザインカラーをすることで白髪を目立たないようにしたい人など…。
そこで、まずGrokでどんなニーズがあるのかを調べてみましょう:
「髪を染めたい」と思っていそうな人たちの投稿をX上で調べて、どんな悩みや希望を持っているのか分類して教えて
その結果を踏まえて、より具体的に調査していきます:
「髪色を明るくしたいけどダメージが心配」という悩みを持っていそうなXのポストを調べて、お客様の本当の悩みを教えて
美容室の金額やコスパについて X上でどんな声があるか調べて、価格重視のお客様のニーズをまとめて
ターゲット層の生活パターンを知る
美容室の予約を平日にとっていそうな人についてX上の投稿を調べて、平日に来店できる人たちの特徴を教えて
学生さんや主婦の方が美容室に行くタイミングについて、X上の投稿から傾向を分析して
価格感覚を調べる
美容室の頻度に関する投稿を調べて、それぞれどんな人がどのくらいの予算で考えているか教えて
職業別のニーズ
〜〜の職業(例:営業職)について X上の投稿を調べて、その職業の人が見た目で重要視していると考えられるポイントを教えて
戦略を立ててSNS運用に活かす
調べた情報を元に、こんな戦略が立てられます:
- 自分のターゲットを明確にする 「こういう悩みを持つ、こういう生活パターンの人」を具体的に設定
- 投稿内容を調整する ターゲットが求めている内容に合わせて投稿を作る
- ハッシュタグを最適化する ターゲットが実際に検索しそうなワードを使う
- 投稿時間を調整する ターゲットがSNSを見る時間に合わせる
従来の「なんとなくおしゃれな投稿をすれば予約が来る」時代から、「データに基づいて戦略的に発信する」方法にシフトできるかもしれません。
もちろん、投稿時間やハッシュタグの案もAIに頼めば案出しをしてくれます。出された案をもとに、今までのSNS運用の知見やインサイト情報をもとに新しい方針・戦略を試してみましょう!
シェアサロンの空き情報もGrokで検索できるかも
窓側の区画の空き情報を投稿しているシェアサロンの立地と名前を調べて。関東エリア限定。
シェアサロンの募集を頻繁に投稿しているアカウントを調査して。
人気スポットの確保は早い者かと思うので、リアルタイムに募集をかけている情報収集に活用できるかもしれません。
AIツールの使い分け:どっちを使えばいい?
実際に検証してみた結果、こんな使い分けがおすすめです:
Grok:Xに特化した情報収集と戦略立て
- 得意:情報収集、トレンド調査、リアルな声の収集
- 向いていそうな用途:集客戦略、シェアサロン情報、失敗談収集
ChatGPT:幅広いWEB上の情報収集や戦略立て
- 得意:具体的な提案、教育システム作成
- 向いていそうな用途:カラー配合提案、カスタムGPT作成
始める時の注意点
必ず「学習オフ設定」をする
AIを仕事で使う時に、一番気をつけたいのが情報の扱いです。
「便利だから」といって、お客様の個人情報やサロンの売上データなんかをそのままAIに入力しちゃうのは危険です。設定によっては、その情報がAIの学習に使われてしまう可能性があるんです。
でも大丈夫!ちゃんと設定すれば安全に使えます。
AIを「学習オフ」にする方法
- 設定画面を開く
- ログインしたら、自分のアイコンをクリック
- 「設定」を選択
- データの使われ方を変更
- メニューの「データ」「データコントロール」をクリック
- 「モデルの改善」という項目を見つける
- これをオフにして「実行」「保存」
以下の画像のように設定できていれば完了です!
ChatGPT:

Grok:

設定さえちゃんとすれば、安心してAIを活用できますよ。
完璧を求めすぎない
特にカラー配合など技術面では、AIの提案は「参考程度」に留めて、必ず経験者がチェックしてください。AIはあくまでサポート役です。
小さく始める
いきなり全部をAI化しようとせず、「新人さんの質問対応だけ」「集客調査だけ」みたいに、一つずつ試してみるのがおすすめです。
記録を残す
AIの提案と実際の結果を記録しておくと、「このAIはこういう傾向がある」って分かってきて、もっと上手に使えるようになります。
まとめ:AIは味方にできる
生成AIは万能じゃないし、美容師さんの技術や感覚を代替するものでもありません。でも、「時間を節約する」「情報収集を効率化する」「学習をサポートする」ツールとしては、かなり使えると思います。
- サロン運営者・先輩スタイリスト:新人教育の時間短縮と質向上
- フリーランス美容師:データに基づいた集客戦略
「なんか難しそう…」って思うかもしれませんが、気軽に試せるものばかりです。まずは一つ、気になったものから試してみてください。
技術の進歩は早いので、今回紹介したAIもどんどん進化していきます。新しいツールを恐れずに、「自分の仕事にどう活かせるかな?」って柔軟に考えながら取り入れてみてください。
この記事が、皆さんの毎日を少しでも楽にするヒントになれば嬉しいです!