「自分の仕事にもAIを取り入れてみたいけど、何から始めればいいかわからない…」
「普段画像生成などで流行っているAI、業務に使えないのかな?」
そう感じていませんか?巷で話題の生成AIですが、無料で使えるサービスが増えた一方で、「システム開発とかじゃなくて、今すぐ使えるAIサービスを自分の仕事にうまく活かすには?」という疑問を持つ方も多いはず。
この記事では、企業で生成AIの推進を担当する筆者が、レストランの接客スタッフの方向けに明日からスマホやPCで試せる、具体的な生成AIの活用アイデアを提案します。
私自身は5年ほど前にレストランの接客業務をしていましたが今この時代ならではのリアルな苦労経験がないため、あくまで「こんな使い方ができるかも?」というアイデアとしての紹介になります。普段の業務で見えてきたAIの特性と、レストラン接客の業務内容を照らし合わせながら、皆さんの毎日が少しでも楽になるヒントをお届けできれば幸いです。
「AI使いたいけど何から始めたら?」そんな人に、レストラン接客で“明日から使える”AI活用法を紹介🍽️
🗣️外国人ゲスト対応→
Grokで観光客の傾向をXを参照にチェック✈️
ChatGPTで英語・多言語の接客フレーズを事前に準備💬
例:「これはベジタリアン対応ですか?」の答えも英語ですぐ出せる!
📋対応マニュアルもAIでつくれる→
よくある質問・対処法・連携方法などをChatGPTで整理🧾
⚠️アレルギー対応→
Grokで事故や注意点の最新投稿を調べる📱
ChatGPTで「質問の仕方」「厨房への伝え方」「メニュー別のリスク説明」まで用意できる🍤
😊サービス品質UPにも→
Grokで“良かった接客”や“クレーム投稿”をX投稿を参照に把握👀
ChatGPTで「また来たい」と思われる接客テクをシーン別にアドバイス✨
混雑時の丁寧な対応法も聞ける!
⏳AIで時短→
調べ物やマニュアルはAIにまかせて、
お客様との会話やスタッフ連携、学びの時間に集中できる🎯
🛡️注意点→
AIは設定で「学習オフ」にして利用しましょう!
🔧ツールの使い分け→
Grok:リアルな声・最新トレンド📡
ChatGPT:翻訳・接客フレーズ・マニュアル作成🛠️
完璧を目指さなくてOK。まずは1日10分、AIに調べてもらうだけで一歩前進!👣
今回紹介する生成AIって?
「ChatGPT(チャットジーピーティー)」と「Grok(グロック)」、どちらも最近よく聞く生成AIサービスですが、実はそれぞれ得意なことが違います。
💬 ChatGPT(OpenAI)
OpenAIという会社が開発した対話型AIで、幅広い質問に答えてくれるのが特徴です。ドット絵風の画像生成などでよくSNSでみかけるあのAIです。
たとえば、資料のたたき台を作ってもらったり、アイデア出しの壁打ち相手になってもらったり、情報整理を手伝ってもらったりと、日々の仕事をちょっとラクにしてくれる便利な存在です。
▶️ ChatGPT公式ページ
iPhone app:https://apps.apple.com/jp/app/chatgpt/id6448311069
Android app:https://play.google.com/store/search?q=ChatGPT&c=apps
📱 Grok(xAI)
Grokは、X(旧Twitter)の創業者イーロン・マスク氏が立ち上げたxAI社が開発した生成AIです。「Ani」ちゃんでよく聞くようになった方もいるのでは?
最大の特徴は、X上のリアルタイムな投稿を検索・参照できること。SNS上の「今の声」や「空気感」をもとに情報を集めたり、分析したりするのが得意で、マーケティングやトレンド把握にも活用できます。
▶️ Grok公式ページ
iPhone app:https://apps.apple.com/jp/app/grok-%E7%94%9F%E6%88%90ai/id6670324846
Android app:https://play.google.com/store/apps/details?id=ai.x.grok
レストラン接客の「本当に大変なところ」をAIで解決
AIやXのポストからでレストラン接客のリアルな声を調べてみると、本当に多岐にわたる苦労があることがわかりました。特に印象的だったのが、インバウンド対応、アレルギー対応、そして日本人客からの高いサービス期待という3つの大きな負担です。
人手不足で一人何役もこなさなきゃいけない中、言語の壁やアレルギーという命に関わる問題、さらには「おもてなし」への期待…。
これらの課題の多くは情報収集、準備、コミュニケーションの部分で、AIがお手伝いできることがたくさんありそうです。今回は働き方のパターンに分けて、それぞれに最適なAI活用アイディアをご紹介します。
インバウンド対応に追われている
「英語メニューないんですか?」「これはハラルですか?」外国人ゲストの対応…
言語の壁って、お客様もスタッフも両方が困ってしまう問題かと思います。メニュー説明、アレルギー確認、文化的な要望への対応…一つ一つは小さくても、積み重なると相当な負担になってしまいます。
ここで活躍するのが、新鮮な情報収集が得意なGrokと多言語対応に強いChatGPTの組み合わせです。
Grokで「外国人客の傾向」をチェック
まず勤務前に、Grokで直近の外国人観光客の動向を把握してみてください。
最新の、東京の外国人観光客の動向や、レストランでよく聞かれる質問をX上の投稿から調べて教えて
GrokはリアルタイムでX(旧Twitter)の投稿を検索できるので、「最近はこの国からの団体客が多い」「文化的にハラル対応の不満が増えている」といった最新情報がわかります。
次に、具体的な対応方法を調べてみましょう。
外国人客がレストランでよく困ることと、接客スタッフができる簡単な対応方法をX上の体験談から教えて
ChatGPTで多言語メニュー説明を準備
Grokで傾向を掴んだら、ChatGPTで具体的な接客フレーズを準備します。
レストランの接客で使える英語フレーズを教えてください。特に以下の場面での自然な表現をお願いします:
・メニューの説明(和食の定食について)
・アレルギー確認
・ハラルやベジタリアン対応の可否
・お会計時の案内
それぞれ、簡単な英語で相手に伝わりやすい表現でお願いします。
さらに、特定の料理について詳しく聞かれそうな時は:
「親子丼」を英語で説明したいのですが、外国人にもわかりやすく、美味しそうに聞こえる説明文を作ってください。使っている食材、調理方法、味の特徴を含めて、2-3文程度でお願いします。
接客マニュアルを作成
日々の対応を蓄積して、ChatGPTで自分だけの接客マニュアルを作るのも便利です。
レストランの外国人客対応マニュアルを作成したいです。以下の情報を元に、実用的なチェックリスト形式でまとめてください:
【よくある質問】
・ハラル対応について
・ベジタリアン向けメニュー
・アレルギー確認
【対応フロー】
・基本的な挨拶から案内まで
・困った時の対処法
・他のスタッフとの連携方法
実際の接客現場ですぐ使える形式でお願いします。
このパターンの使い分けポイント:
- Grok → 今日の傾向、リアルタイム情報
- ChatGPT → 多言語フレーズ、翻訳、長文対応
アレルギー対応とメニュー説明の準備を万全にするサポートに
命に関わるアレルギー対応、とてもプレッシャーのかかる対応かと思います。「大丈夫です」と言って何かあったら…と考えると情報検索で時間がなくなってしまうかもしれません。
アレルギー対応、知識はもちろん、お客様への丁寧な確認と厨房との連携が必要になります。AIで事前準備をしっかりしてできるだけ安全な対応ができるようにしましょう。
Grokで最新のアレルギー情報をチェック
レストランのアレルギー対応で最近よく問題になっていることや、注意すべき点をX上の飲食店関係者の投稿から教えて
さらに詳しく:
外食でのアレルギー事故の最新事例や、レストランスタッフが気をつけるべきポイントをX上の情報から調べて
ChatGPTでアレルギー対応フローを作成
レストランでアレルギーのお客様に対応する時の、安全で丁寧な確認手順を教えてください。以下を含めて:
・最初の聞き取り方
・厨房への伝達方法
・提供時の再確認
・万が一の時の対処法
接客スタッフが自信を持って対応できるよう、具体的な言葉遣いも含めてお願いします。
メニュー説明についても:
以下の料理について、アレルギーを持つお客様に安全に説明するための情報をまとめてください:
【料理名:海老フライ定食】
・含まれるアレルゲン
・調理過程での他の食材との接触リスク
・代替提案できる料理
お客様に「この店は安心」と思ってもらえるような、プロフェッショナルな説明でお願いします。
詳細なアレルギー対応マニュアルを作成
レストランのアレルギー対応完全マニュアルを作成してください。以下の構成で:
【基礎知識編】
・主要アレルゲン8品目の特徴
・症状の見分け方
・コンタミネーション(混入)のリスク
【実践編】
・お客様への質問の仕方
・厨房スタッフとの連携方法
・緊急時の対応手順
【メニュー別対応表】
・当店の主要メニューのアレルゲン情報
・安全な代替案
現場ですぐに参照できる、実用的な形式でお願いします。
今回紹介した内容以外にも、「特定のアレルギーを持つ人は他に反応しやすい食材があるかどうか」や、言葉での説明の自信がない場合、テキストで伝えるためのメッセージづくりなどにも活用できます。
AIも完璧なわけではありません。常にダブルチェックをし、出力内容が適当かを確認しましょう
お客様への高品質サービスを磨きたい
日本では、サービス品質への期待が高く、細やかな気配りや迅速な対応が求めらることも。その期待に応えることで、お客様にも喜んでもらえたり、自分のスキルアップにつながったりするかと思います。
そんなときは以下のように情報検索してみるのがおすすめです。
Grokで接客トレンドと顧客心理を調査
最近のレストランで、お客様が「良いサービスだな」と感じるポイントをX上の口コミや体験談から調べて教えて
逆に改善点も調べてみましょう:
レストランの接客でお客様が困ったり不満に感じた事例を、X上の投稿から具体的に教えて。改善のヒントも含めて
ChatGPTで接客スキル向上のアドバイス
レストランの接客で、お客様に「また来たい」と思ってもらえる接客のコツを教えてください。以下のシーンごとに:
・お出迎えの際の印象作り
・注文を取る時の丁寧な対応
・料理提供時の気配り
・お見送りまでの流れ
経験の浅いスタッフでも実践できる、具体的なテクニックをお願いします。
シーンの部分に、Grokで調査したトレンドや改善点を入力し、それらに対応したアドバイスをChatGPTに聞くのもおすすめです!
忙しい時の対応についても:
レストランが混雑している時でも、お客様に良い印象を持ってもらう接客方法を教えてください。待ち時間が長くなる時の説明の仕方や、効率的ながらも丁寧なサービスのコツをお願いします。
状況が同じでも言葉選びや接客方法でお客様からの印象がガラリと変わることがあります。自分の中の接客用語の勉強にもなるのでおすすめです。
総合的な接客品質向上計画を作成
レストラン接客スタッフとしてのスキルアップ計画を作成してください。
【現状の課題】
・忙しい時に慌ててしまう
・メニュー知識が不足している
・お客様のニーズを汲み取るのが苦手
【目標】
・リピーターになってもらえる接客
・効率的ながら心のこもったサービス
・チームワークの向上
以下を含めた具体的な改善プランをお願いします:
・日々の練習方法
・知識習得のスケジュール
・接客レベル向上のチェックポイント
実行しやすい形でお願いします。
このパターンの使い分けポイント:
- Grok → 接客トレンド、お客様の生の声
- ChatGPT → 接客テクニック、すぐ使えるフレーズ、長期的なスキルアップ計画
AIで時間を作って、「本当に大切なこと」に集中する
これらのAI活用で浮いた時間を何に使うか、それが一番大切です。
マニュアル作りや情報収集をAIに任せることで、お客様との会話、チームワーク、料理の知識を深める時間を作れる。
例えば:
- 新人スタッフへの教育により多くの時間をかけられる
- お客様一人一人との会話を大切にできる
- キッチンさんとの連携を深めて、より良いサービスを提供できる
- 自分のスキルアップのための勉強時間を確保できる
AIは「人間の代わり」ではなく、「人間がもっと人間らしい仕事に集中するためのサポーター」として使うことができます。
使う前に知っておきたい注意点
AIを仕事で使う時に、一番気をつけたいのが情報の扱いです。
「便利だから」といって、お客様の個人情報、店舗の売上データ、特別なレシピをそのままChatGPTに入力しちゃうのは危険かも。設定によっては、その情報がAIの学習に使われてしまう可能性があるんです。
でも大丈夫!ちゃんと設定すれば安全に使えます。
AIを仕事で使う時に、一番気をつけたいのが情報の扱いです。
「便利だから」といって、児童生徒の個人情報や学校内の機密事項をそのままChatGPTに入力しちゃうのは危険です。設定によっては、その情報がAIの学習に使われてしまう可能性があるんです。
でも大丈夫!ちゃんと設定すれば安全に使えます。
AIを「学習オフ」にする方法
- 設定画面を開く
- ログインしたら、自分のアイコンをクリック
- 「設定」を選択
- データの使われ方を変更
- メニューの「データ」「データコントロール」をクリック
- 「モデルの改善」という項目を見つける
- これをオフにして「実行」「保存」
以下の画像のように設定できていれば完了です!
ChatGPT:

Grok:

設定さえちゃんとすれば、安心してAIを活用できますよ。
AIツールの使い分けガイド
最後に、今回紹介した2つのAIツールの特徴をまとめておきますね。
Grokの特徴と使い分け
Grokは、イーロン・マスクが設立したxAIが開発した対話型AIで、ChatGPTのような生成AIサービスです。最大の特徴は、X(旧Twitter)の投稿をリアルタイムで検索・参照できることなんです。
こんな時におすすめ:
- 最新のアレルギー事故情報をチェックしたい
- リアルタイムな接客トレンドを調べたい
- お客様の生の声を知りたい
ChatGPTの特徴と使い分け
ChatGPTは、OpenAIが開発した広く使われている対話型AIです。画像生成などでSNSで見かけることも多いのではないでしょうか
こんな時におすすめ:
- 多言語の接客フレーズを作りたい
- メニューの外国語説明を作成したい
- 接客テクニックのアドバイスが欲しい
- すぐに使える実用的な情報が欲しい
まとめ:AIと一緒に、もっと良いサービスを
多言語対応、アレルギー対応、高品質なサービス…どれも簡単じゃないものの、AIをうまく活用することで、準備の時間を短縮して、お客様との大切な時間により集中できるようになるかもしれません。
「完璧なAI活用」を目指すのではなく、「今日から少しずつ楽になる」ことから始めてみてください。最初は1日10分、調べものをAIに聞いてみるだけでも十分です。
レストランで働く皆さん、いつも美味しい料理と素敵な時間をありがとうございます。この記事がなにかヒントになれば幸いです!