チャットGPT o3Proが本日リリース!

こんにちは、ZenkenのAI推進担当の岡田です。

今週の木曜日~金曜日頃にリリースを予想していたo3 Proが本日リリースされました。

o1Proはマルチモーダルでもなく、検索もできないといったモデルでしたが、今回は検索も使えるので早速o3PROに検索とまとめを作成してもらいました。


要旨

OpenAIは2025年6月10日15:16 PDT(日本時間11日早朝)に、最上位推論モデル o3‑pro をChatGPT Pro/Team向けにリリースし、同時にAPI提供を開始しました。

o3‑proは既存のo3と同一コアを用いながら推論ステップを増やし、4/4 reliability評価で全カテゴリー上位、AIME 2024/25・GPQA Diamond等の主要ベンチマークで競合を凌駕しています。

また、API価格は入力20 USD/100万トークン・出力80 USD/100万トークンで、従来o1‑pro比86 %の値下げとなりました。モデルはWeb検索・Python実行・画像解析・ファイル解析・メモリ等の全ツールに対応しますが、画像生成とCanvasは非対応、応答遅延が従来より長いという制約があります。Enterprise/Eduは一週間後に順次開放予定です。


1. リリース概要

1.1 発表日時と対象プラン

  • 米国公式ブログ更新日時:2025‑06‑10 (PDT)【TechCrunch記事本文】
  • 日本時間換算で2025‑06‑11に相当。
  • ChatGPT Pro(200 USD/月)およびTeamに即日実装、Enterprise/Eduは翌週展開
  • API同日公開(モデル名 openai-o3-pro)。

1.2 ポジショニング

  • o3‑proはo3と同一ファミリーのハイ・リライアビリティ版であり、o1‑proの後継としてモデルピッカーで置換された。
  • o3‑proの安全性はo3のシステムカードを流用。新規リスクは無いと明記。

2. 料金体系

区分価格備考
API入力20 USD / 1M tokens従来o1‑proは140 USD相当
API出力80 USD / 1M tokens同 600 USD→80 USD
ChatGPT Pro200 USD / 月o3‑pro無制限利用
  • 価格改定インパクト:入力・出力とも80 %超の値下げで、Gemini 2.5 ProやClaude 4 Opusとの価格差を縮小。
  • サブスクリプション側はPlus(20 USD/月)では利用不可。Pro専用。

3. 技術仕様

3.1 推論エンジン

  • o3系列は「長時間思考」を前提に強化学習を1桁大きくスケール。
  • context window 128k(Pro/UI)、API側も128k。
  • ツール呼び出し:Search / Python / Vision / File‐analysis / Memory にフルアクセス。

3.2 ベンチマーク成績

  • AIME 2024:o3‑pro > Gemini 2.5 Pro。
  • GPQA Diamond:o3‑pro > Claude 4 Opus。
  • 4/4 reliability:全カテゴリでo3‑proがo3を上回る。

3.3 モデル制限

  • 応答速度:o1‑proより体感で遅延。
  • 一時チャット無効(temp chats disabled)
  • 画像生成非対応(DALL·E呼び出し不可)、Canvas非対応

4. 利用シナリオ

4.1 高信頼タスク

科学計算、複雑なコーディングレビュー、大規模ドキュメントの一括要約など「速度より精度」を重視するケースで推奨。

4.2 ツール統合例

  • Web検索+Pythonで実データをグラフ化
  • 画像(複雑な実験装置写真)を読み取り、CAD図面と突合
  • 数百ページPDFを添付し、要点と根拠となるページ番号を抽出
    (いずれもOpenAI公式デモより)

5. 他モデルとの比較

項目o3‑proo3o1‑proGemini 2.5 ProClaude 4 Opus
主要用途高信頼推論汎用推論先代Pro汎用推論高性能汎用
API入力単価20 USD2 USD140 USD1.25–2.5 USD15 USD
4/4 reliability最高
AIME2498 %95 %90 %94 %92 %
画像生成

(価格・スコアは公式発表およびVentureBeat比較表を引用)


6. セキュリティ・コンプライアンス

  • システムカード:o3と同一。透明性・RLHF・攻撃対策を継承。
  • Enterprise/Eduでの利用時はSCIM / SAML / データ保持政策に準拠(ChatGPT Enterprise仕様に従う)。

7. 業界・コミュニティ反応

  • TechCrunch:「o3‑proはo1‑pro置換、ツール全対応も応答遅延あり」
  • The Star(Xinhua発):価格・ベンチマーク優位性を報道。
  • VentureBeat:o3値下げとo3‑pro投入を「開発者コスト革命」と評価。
  • The Decoder:Google・Anthropicとの価格競争激化を指摘。
  • Reddit r/singularity:API単価86 %削減に驚嘆する投稿が初日で1k +upvote。

8. 今後のロードマップ(発表済事項のみ)

  1. Enterprise/Edu解放:2025‑06‑17週予定。
  2. Canvas対応:時期未定、技術課題解決後に追加予定(公式FAQ)。
  3. 一時チャット再開:調査完了後に段階的復活。

9. まとめ

o3‑proは「推論特化」ファミリーの頂点として、性能・信頼性・価格の三点で従来モデルを大きく更新した。特にAPI価格の劇的な引き下げは、複数ベンチマーク首位と相まって研究・開発双方の利用障壁を取り除く。制限事項(遅延・非対応機能)を理解したうえで、高精度が要求される業務フローに組み込む価値が高い。


o3Proの本領を発揮できたとは言えない用途でしたが、最後に改めて表でまとめてみました。

機能カテゴリ項目o3-proの対応状況備考
利用プランChatGPT Pro/Team即日対応
Enterprise/Edu✅(6/17週予定)1週間遅れで展開予定
Plus(20 USD/月)利用不可(Pro専用)
APIモデル提供(openai-o3-pro)同日リリース
入力:20 USD / 1M tokenso1-pro比 86% 値下げ
出力:80 USD / 1M tokens同上
推論仕様context window 128kUI・APIともに128k対応
長時間思考・高信頼推論o3同一コア+ステップ強化
ツール対応Web検索(Search)ChatGPTツールとして利用可能
Python実行Code Interpreter相当
画像解析(Vision)入力画像から内容理解可能
ファイル解析(PDF, CSV等)ドキュメント分析・要約等に活用可
メモリ機能チャットの記憶機能
画像生成(DALL·E)非対応(DALL·E呼び出し不可)
Canvas(ChatGPT Canvas)非対応(将来的に対応予定、時期未定)
モデル制限応答速度❌(やや遅延)高精度優先のため応答がやや遅め
一時チャット(temp chat)現在は無効、再開時期は未定

本件に加えて、無印o3のレート制限が100 → 200へ増やすといった公式の声明もあったりと、ばちばちとした戦いが繰り広げられています。

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