ZenkenAI
公開: 14 min read

Claude Sonnet 4.6が登場 ― 無料で使える高性能AIの実力を解説


2026年2月17日、AI開発企業Anthropic(アンソロピック)が新しいAIモデル「Claude Sonnet 4.6」をリリースしました。無料プランでもすぐに使えるこのモデルは、前バージョンから大幅に性能が向上しており、ビジネスでの活用の幅がさらに広がっています。

この記事では、「そもそもClaudeって何?」という基本から、Sonnet 4.6で何が変わったのか、ビジネスでどう使えるのかまで、専門知識がなくても理解できるようにまとめました。

そもそもClaudeとは?

Claudeは、Anthropicが開発するAIアシスタントです。ChatGPTやGeminiと並ぶ主要なAIサービスの1つで、文章の作成・要約、調べもの、データ分析など、幅広い業務に活用できます。

Claudeには性能の異なる3つのモデルがあり、それぞれ役割が異なります。

モデル名位置づけ特徴
Opus(オーパス)最上位モデル最も高性能。複雑な分析や高度な判断が必要な場面向け
Sonnet(ソネット)中核モデル性能と速度のバランスが良い。日常業務の主力
Haiku(ハイク)軽量モデル応答が速い。簡単な質問や大量処理向け

今回アップデートされたSonnetは、多くのユーザーが日常的に使う中核モデルです。無料・有料プランを問わず、Claude.aiにアクセスすれば誰でもすぐに利用できます。

Sonnet 4.6で何が変わったのか

ユーザーの約7割が「前より良くなった」と評価

Anthropicのテスト結果によると、ユーザーの約70%がSonnet 4.6を前バージョン(Sonnet 4.5)より好むという評価が出ています。さらに注目すべきは、59%のユーザーが最上位モデルであるOpus 4.5(2025年11月版)よりもSonnet 4.6を好んだという点です。

つまり、「中核モデル」が「最上位モデルの旧バージョン」を超えるという、異例の進化を遂げたことになります。

具体的に何が良くなったのか

Sonnet 4.6の改善点を、ビジネスでの利用場面に沿って整理しました。

改善ポイント内容実務での意味
指示への忠実度が向上依頼した内容を正確に反映するようになった「こう頼んだのに違うことが返ってきた」が減る
でたらめな回答が減少ハルシネーション(AIが事実でない情報をもっともらしく作り出すこと)が低減調べものやレポート作成の信頼性が上がる
過剰な作り込みが減った聞かれていないことまで長々と回答する傾向が改善必要な情報だけを端的に得られる
複数ステップの作業が安定「まずAを調べて、次にBと比較して、最後にまとめて」といった段階的な依頼を最後までやり切る力が向上複雑な業務の依頼でも途中で品質が落ちにくい
不正な指示への耐性向上プロンプトインジェクション(悪意のある第三者がAIに不正な指示を紛れ込ませる攻撃手法)への防御が大幅強化業務で安心して使える安全性の向上
100万トークンの入力に対応コンテキストウィンドウ(AIが一度に読める情報量)が100万トークン(ベータ版)に拡大長い契約書や大量の資料をまとめて読み込ませて処理できる

性能の進化を数字で見る

AIの性能は「ベンチマーク」(標準化されたテスト)で測定されます。Sonnet 4.6は複数のベンチマークで記録を更新しました。

Claude Sonnet 4.6 ベンチマーク結果 Sonnet 4.6の各種ベンチマーク結果。多くの指標で前バージョンを上回っている(出典:Anthropic公式ブログ)

特に注目すべき数字

  • 高度な推論テスト: 正答率77%(前バージョンは62%、15ポイント向上
  • 企業向け文書理解テスト(OfficeQA): 最上位モデルOpus 4.6に匹敵する性能
  • Box社の検証: 高度な質疑応答で前バージョンから15ポイント向上
  • Pace社(保険業界)の検証: 業務ベンチマークで94%の精度を達成

パソコン操作の自動化能力も大幅に進化

AIが人間の代わりにパソコンを操作する能力(コンピュータ操作タスク)においても、Sonnet 4.6は新記録を達成しています。

OSWorldベンチマーク OSWorldベンチマーク:パソコン操作の自動化能力を測定するテスト。Sonnet 4.6が新記録を樹立(出典:Anthropic公式ブログ)

特に注目すべきは、AIがブラウザを操作する際に「存在しないリンクをクリックしようとする」という問題(ハルシネーション)が、前バージョンの33%から0%に改善されたことです。この進化は、AIがブラウザでの情報収集やファイル操作などを自動で行う「AIエージェント」機能の精度向上に直結します。

計画を立てて実行する能力も向上

複雑なタスクを段階的に計画・実行する能力を測るテストでも、高い成績を収めています。

Vending-Bench Arena Vending-Bench Arena:AIが複雑なタスクを計画・実行する能力を測るテスト(出典:Anthropic公式ブログ)

Sonnet 4.6 vs Opus 4.6 ― 最上位モデルとの差はどれくらい?

Sonnet 4.6と最上位モデルOpus 4.6の主要ベンチマークを比較すると、多くの項目で差がわずかであることが分かります。一部のビジネス系タスクではSonnet 4.6がOpus 4.6を上回っています。

テスト内容Sonnet 4.6Opus 4.6
高度な推論(GPQA)89.9%91.3%-1.4
数学(MATH-500)97.8%97.6%+0.2
知識(MMLU-Pro)79.1%81.2%-2.1
パソコン操作(OSWorld)72.5%72.7%-0.2
顧客対応・小売(TAU-bench)91.7%93.5%-1.8
顧客対応・通信(TAU-bench)97.9%97.9%同点
オフィス業務(GDPval-AA)16331559+74
金融分析(Finance Agent)63.3%62.0%+1.3
ツール活用(MCP-Atlas)61.3%60.3%+1.0

太字の項目はSonnet 4.6がOpus 4.6を上回ったテストです。とくにオフィス業務や金融分析など、ビジネスに近い実務的なテストでは中核モデルが最上位モデルを超える結果となっており、日常業務での活用においてはSonnet 4.6が非常に強力な選択肢であることが分かります。

価格と利用方法 ― 無料ですぐに試せる

料金体系

Sonnet 4.6はClaude.aiの無料プランで利用可能です。アカウントを作成すれば、すぐに使い始められます。

プラン料金Sonnet 4.6の利用
Free(無料)0円利用可能(回数制限あり)
Pro(プロ)月額$20(約3,000円)より多くの回数を利用可能
Team(チーム)1人あたり月額$25〜30(約3,750〜4,500円)管理機能付き、チーム利用向け
Enterprise(法人)要問い合わせセキュリティ・管理機能が充実

どこで使えるか

Sonnet 4.6は以下のプラットフォームで利用できます。

  • Claude.ai ― ブラウザから直接利用(全プラン対応)
  • Claude Cowork ― デスクトップでの業務自動化ツール
  • Claude Code ― 開発チーム向けの業務効率化ツール
  • Amazon Bedrock ― AWSを利用している企業向け
  • Google Cloud Vertex AI ― Google Cloudを利用している企業向け

すでにAWS(Amazon Web Services)やGoogle Cloudを導入している企業は、既存のクラウド環境からそのまま利用できます。

ビジネスでの活用イメージ

Sonnet 4.6の性能向上は、さまざまな部門の日常業務に直接メリットをもたらします。

営業部門

  • 訪問前の企業リサーチ: 取引先の最新ニュースや業界動向を調べて、要点をまとめてもらう
  • 提案資料の下書き: 顧客の課題に合わせた提案書の構成案やドラフトを作成
  • メール文面の作成: 状況に応じたフォローアップメールや案内文の作成
  • 改善された「指示への忠実度」により、「こういうトーンで」「この点を強調して」といった細かいオーダーにも正確に応えてくれます

経理・財務部門

  • データの集計・分析: 売上データの傾向分析やグラフ用のデータ整理
  • レポートの下書き: 月次報告書や予算比較資料の原案作成
  • 規程・通達の確認: 社内規程や税制改正の内容を要約・比較
  • ハルシネーション(でたらめな回答)の減少により、数字を扱う業務での信頼性が向上しています

法務部門

  • 契約書のチェックポイント抽出: 長文の契約書から注意すべき条項をピックアップ
  • 規約の比較: 旧版と新版の利用規約の変更点を洗い出し
  • 法改正の要約: 新しい法律や規制の要点を分かりやすくまとめる
  • 複数ステップの作業安定性が向上したことで、「この契約書を読んで、リスクを整理して、対応案を考えて」という一連の依頼も的確にこなせます

総務・人事部門

  • 社内文書の作成: マニュアル、FAQ、社内報の記事などの下書き
  • 問い合わせ対応の効率化: よくある質問への回答テンプレートの作成
  • 翻訳・多言語対応: 海外拠点向けの文書翻訳や、外国人社員向け資料の作成

Claudeモデルファミリーの最新状況

Sonnet 4.6は、2026年2月のモデル更新の一環としてリリースされました。

モデルリリース日状況
Opus 4.62026年2月5日リリース済み(最上位モデル)
Sonnet 4.62026年2月17日リリース済み(今回の記事の主役)
Haiku(次期バージョン)近日中数週間以内に更新予定

Anthropicは2週間足らずの間にOpusとSonnetを立て続けにアップデートしており、開発のスピードが加速していることがうかがえます。

まとめ ― 「使えるAI」がまた一段と進化した

Claude Sonnet 4.6は、前バージョンから確実に進化した中核モデルです。改善のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 指示どおりの回答が返ってきやすくなった
  • でたらめな情報が大幅に減った
  • 複雑な依頼も最後までやり切る力が向上した
  • 安全性がさらに強化された
  • 無料プランでもすぐに試せる

「AIを業務に取り入れたいけれど、まだ試したことがない」という方にとって、無料で使えるSonnet 4.6は良い出発点になるでしょう。まずはClaude.aiにアクセスして、普段の業務で困っていることを相談してみてください。「このメールの返信を考えて」「この資料の要点をまとめて」など、身近なところから始めるのがおすすめです。

(2026年2月18日時点の情報に基づいています。機能・料金は変更される可能性があります)


参考リンク